
イネーブラー株式会社は11月2日、子会社のSIVION株式会社が提供するインフラ点検用ドローン『SIVION Wing』に、GPS(GNSS)を活用した自動飛行機能を追加したと発表しました。この機能は2026年10月から提供されています。
『SIVION Wing』はLiDARを搭載したインフラ点検用ドローンです。追加されたのは、LiDAR SLAMとGNSSを組み合わせた自動飛行管制システム「GCS」(Ground Control Station)による自動飛行機能です。
開けた空間はGNSS、構造物への近接はLiDAR SLAM
『SIVION Wing』は従来、回転型LiDAR SLAM技術によって、橋梁下部やトンネルなどGPSを受信できない環境で自動飛行・点検を行ってきました。一方、海上や上空などの開けた空間では、LiDARが頼りにする地形・構造物の特徴点が少なく、自動飛行の適用が難しいという課題があったとのことです。
今回のGCSは、開けた空間ではGNSS(衛星測位)による自動航行を使い、構造物に近づく場面ではLiDAR SLAMによる飛行を使う仕組みです。これにより、沿岸部から山間部までの一連の点検を自動飛行でカバーできるとのことです。

GNSSによる自動航行
橋梁上空や海上など、地形の特徴点が少ない開けた空間では、GNSS信号も併用した自動飛行が可能です。あらかじめ設定した点検ルートを再現して飛行でき、RTK補正情報を使うと、さらに精度の高い位置情報を取得できます。
LiDAR SLAM飛行の強化
LiDARによる周辺形状の計測と位置推定機能が改善されました。橋脚や桁下など構造物へ近接して飛行する際の自己位置推定、姿勢安定性、障害物との衝突安全性が向上したとのことです。

GNSSが不安定になる環境では、GNSS航行からLiDAR SLAM飛行へ連続的に移行し、点検を継続できます。
想定される活用シーン
沿岸部・港湾では、離岸堤・消波ブロック・防波堤の点検や測定を想定しています。橋梁では、桁下や橋脚の近接飛行による点検にも対応します。

高知県須崎市での実証試験
SIVIONは機能の性能を検証するため、2026年10月に高知県須崎市の島嶼間の連絡橋および離岸堤で実証試験を実施しました。構造物に近接する橋梁と、海上・単調地形の離岸堤という特性の異なる2つのフィールドで、自動飛行が可能であることを確認したとのことです。
提供概要
対象製品は、LiDAR搭載のインフラ点検用ドローン『SIVION Wing』です。新機能はGCS自動飛行機能で、2026年10月から提供されています。
