
株式会社finalは10月23日、トゥルーマグネシウム振動板を搭載した有線イヤホン『A8000 DC』を10月30日に発売すると発表しました。市場想定価格は258,000円(税込)です。予約受付は10月23日から、各販売チャネルで開始されています。
『A8000 DC』は、2019年に発売した『A8000』の音をベリリウム以外の素材で実現するだけでなく、さらに高めることを目指して開発された新モデルです。ドライバーはダイナミック型で、全パーツを新規に設計・選定したとのことです。製品名の「DC」は、楽譜の最初に戻って演奏するという意味の音楽用語「Da Capo(ダ・カーポ)」に由来します。
『A8000』が振動板に採用していたトゥルーベリリウムは、材料調達の事情で製造の継続が困難となり、終売になっています。『A8000 DC』は、ダイヤモンド振動板を採用した『A10000』の開発で培ったノウハウと、その後の研究成果をもとに開発されました。

トゥルーマグネシウム振動板を採用したドライバーユニット
振動板には、独自の合金化で強度を補ったトゥルーマグネシウムを採用しています。マグネシウムはアルミニウムの約3分の2の軽さで、重量を増やさずに振動板へ厚みを持たせられます。曲げ剛性は板厚の3乗に比例するため、厚みを確保できるマグネシウムとドーム形状による構造的な補強を組み合わせています。これにより振動板全体の変形が小さくなり、表面で発生するノイズを最小限に抑えられるとのことです。
エッジには、『A10000』の開発で確立した特殊ポリウレタンを使っています。軽量で弾性・伸縮性が高く、振動板の動きやすさと不要な共振の抑制を両立するとのことです。
振動板とエッジは、接着剤を使わずに接合します。圧空成形と金型による熱成形を組み合わせ、分子間結合させる独自の成形技術です。接着剤の塗布量の差による個体差をなくす狙いがあります。
ボイスコイルは自社製のボビン付きです。引出線をエッジに接着せず空中配線とする設計を踏襲し、線材には同社オリジナルのアルミ合金線材を採用しています。
新開発のDU(ドライバーユニット)は、10Hz付近の超低域で『A8000』のトゥルーベリリウム振動板より歪み率をさらに低減できたとのことです。
ステンレス削り出し筐体と装着感
筐体は、剛性の高いステンレスを切削加工した削り出し構造です。仕上げは鏡面研磨にIP(イオンプレーティング)加工を施したネイビーで、塗装と異なり金属の質感を保ったまま発色するとのことです。経年による色褪せや剥がれも起きにくいそうです。

筐体の組み立てとDUの取り付けには接着剤を使わず、ネジ止めを採用しています。修理を容易にし、長期使用を考慮した設計で、ネジの締結力で各部品を支えて不要な共振も抑えるとのことです。
装着感の面では、接触面積を限定する形状とし、耳への圧迫感を抑えることを目指したとのことです。『A8000』と比べて筐体サイズは小さくなっています。
潤工社との共同開発ケーブルとMMCXコネクター
ケーブルは、潤工社との共同開発です。線材にはシルバーコートOFC線を使い、絶縁被膜には従来のPFA(フッ素ポリマー)より誘電率が低いePTFE(発泡テフロン™)を採用しています。コード長は1.2mで、プラグは4.4mmです。

MMCXコネクターは、従来の自社開発品の信頼性を高めた、より高精度なものへ設計変更されました。
同梱のイヤーピースとダストフィルター
イヤーピースは『FUSION-G』と『TYPE P』の2種類で、それぞれSS/S/M/L/LLの5サイズが同梱されます。ユーザー自身で交換できるダストフィルターも、装着用のメンテナンスツールとともに付属します。耳垢などで汚れたときに手軽に手入れできます。
付属品は次のとおりです。
- キャリーケース
- イヤーピース(『FUSION-G』5サイズ、『TYPE P』5サイズ)
- イヤーピースケース
- 『MMCX ASSIST』
- メンテナンスツール
- ダストフィルター
- シリコンシート
- 筐体保護テープ
- 筐体保護ポーチ
- 補助プレート
主な仕様
仕様は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 筐体 | ステンレス(IP加工 ネイビー) |
| ドライバー | ダイナミック型(トゥルーマグネシウム振動板) |
| コネクタ | MMCX |
| プラグ | 4.4mm |
| ケーブル | ePTFE被膜シルバーコートケーブル(コード長 1.2m) |
| 感度 | 98dB/mW |
| インピーダンス | 13Ω |
| 質量 | 62g |
販売チャネル
『A8000 DC』は、final公式オンラインストアのほか、全国のオーディオ専門店・家電量販店で販売されます。予約受付は、各販売チャネルで10月23日から開始されています。製品ページは次のとおりです。
