アイビスがOSSオフィススイート『ibisOffice』をリリース。デスクトップ版とWeb版を提供

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ibisOfficeでWord・Excel・PowerPointの文書を並べて表示した画面

株式会社アイビスは10月13日、Word(.docx)、Excel(.xlsx)、PowerPoint(.pptx)形式の文書を閲覧・編集できるオープンソースのオフィススイート『ibisOffice』を、10月12日にリリースしたと発表しました。

『ibisOffice』は、3つの形式のファイルを1つのアプリで閲覧、編集、保存できます。すべてRustで書かれており、描画はGPUで行います。Windows 11以降とmacOS 11以降向けのデスクトップ版と、インストール不要のWeb版が用意されています。

Web版はWebAssemblyとWebGPUを使い、ブラウザの中だけで動作します。手元のファイルを開くときに、ファイルの中身がサーバーに送られることはありません。Microsoft Officeで作った文書を開いても見た目が崩れないことを目指して開発しているとのことです。

目次

ibisOfficeリリースのお知らせ(日本語)

『ibisOffice』の紹介動画がYouTubeで公開されています。

3形式の対応機能

形式ごとに、次の機能に対応しています。

文書(.docx)

段落とスタイル、箇条書きと段落番号、表、段組み、縦書き、ルビ、脚注、ヘッダーとフッターに対応します。ページ番号や目次などのフィールド、図形・画像・グラフ、ページ設定も扱えます。

表計算(.xlsx)

数式と関数の計算、条件付き書式、オートフィルター、並べ替え、テーブル、ピボットテーブル、グラフ、スパークライン、入力規則、シートの保護などに対応します。

プレゼンテーション(.pptx)

図形、テキスト、表、グラフ、SmartArtの表示と編集に対応します。アニメーション、画面切り替え、スライドショーと発表者ビュー(2画面対応)、動画・音声、コメントも扱えます。

マクロ付きファイルと国際標準

マクロ付きのファイル(.docm・.xlsm・.pptm)も開いて保存できます。マクロは実行せず、そのまま残します。読み書きはOffice Open XMLの国際標準(ECMA-376 / ISO/IEC 29500 / JIS X 4191)に沿っています。

画面の描画には、WindowsではDirect3D、macOSではMetal、ブラウザではWebGPUを使います。同じRustのコードが、デスクトップアプリとしても、WebAssemblyとしてブラウザの中でも動作します。

すべての編集は「コマンド」を通して行う設計です。コマンドは元に戻す・やり直しの単位で、将来開発予定の共同編集やMCPでサーバーとやり取りする単位にもなります。依存するライブラリは、Apache-2.0、MIT、BSDなど商用で使えるライセンスのものだけで、コピーレフトのライブラリは使っていません。

描画の互換性と処理速度の比較

機能ごとに試験用の文書を作り、本物のWord・Excel・PowerPointが書き出したPDFと『ibisOffice』の描画を画素の単位で比較しており、試験は7万を超えるとのことです。『ibisOffice』で保存したファイルは、Officeで修復なしに開けることを確認したとのことです。

処理速度は、ファイルを開いて最初の画面が表示されるまでの時間と、PDFへの変換にかかる時間を、Microsoft Office、LibreOffice、ONLYOFFICEと比較したとのことです。

最初の画面の表示時間は、アプリを起動した状態でファイルを開かせ、1ページ目(pptxは1枚目のスライド、xlsxは1シート目の最初の画面)が完全に表示されるまでを測っています。アプリのウィンドウを最大60フレーム/秒で録画し、ファイルを開かせた時点から画面の変化が止まるまでを動画から求めました。

ibisOfficeとMicrosoft Office等のファイル表示時間比較表

PDF変換は、コマンドの開始からPDFの書き出し完了までの時間です。使用した方法は次のとおりです。

  • 『ibisOffice』:「ibisOffice –export pdf」
  • Microsoft Office:AppleScriptで開いてPDFで保存
  • LibreOffice:「soffice –headless –convert-to pdf」
  • ONLYOFFICE:アプリに入っている変換プログラムx2t
ibisOfficeとMicrosoft Office等のPDF変換時間を比較した表

測定に使ったファイルは、架空のデータと、メタ情報を取り除いた公開資料から作ったもので、GitHubで公開されています。

動作環境とライセンス、入手先

公開中のバージョンは0.8.1です。デスクトップ版の動作環境は、Windows 11以降(64bit Intelおよび互換CPU)と、macOS 11以降(Apple Silicon)です。Web版はWebGPUに対応したブラウザで動作し、SaaSに組み込んで利用することを想定しています。

ライセンスはAGPL-3.0と商用ライセンスのデュアルライセンスです。ソースコードはGitHubで公開されています。

今後の予定

同社が提供するクラウドストレージ『ibisStorage』のオンライン上で、Word、Excel、PowerPointのファイルをプレビュー・編集できるようにする予定です。

このほか、デスクトップアプリ版でmacOS、Windows、Linuxの同じ操作と同じ見た目を目指すほか、サーバー版で複数の人が同じ文書を同時に編集できる共同編集も予定されています。

ibisOfficeでWord・Excel・PowerPointの文書を並べて表示した画面

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