
ティ・アール・エイ株式会社は、2026年9月11日に「新型 窓口用軟骨伝導イヤホン」を発売したことを発表しました。同製品は、自治体・金融機関・医療機関などの受付・相談窓口において、聞こえに不安のある利用者と応対者との円滑なコミュニケーションを支援するイヤホンです。
第1弾モデルはこれまでに自治体・金融機関・医療機関など700カ所以上の窓口で導入され、窓口におけるコミュニケーションを支援してきました。新型となる今回の製品では、従来モデルの使いやすさを継承しながら、長時間運用と安全性に配慮した仕様へ改良されています。なお、導入実績の数値は2026年9月時点の同社調べで、導入先の窓口数に基づくものとのことです。


発見者との共同開発
「窓口用軟骨伝導イヤホン」は、軟骨伝導の発見者である奈良県立医科大学の細井裕司教授(現・名誉教授)の発明により、自治体や金融機関などの窓口で、聞こえに不安を感じる方が応対者との会話を円滑に行えるイヤホンとして開発されました。
第1弾の製品はすでに多くの窓口で採用されており、今回の新型は、これまでの導入実績や実際の窓口での使用経験を踏まえ、さらに使いやすさを高めるため細井教授と共同開発したとのことです。従来からの聞きやすさを保ちながらバッテリー容量を大きくし、より安全な準固体電池を採用したことが特長で、自治体、金融機関、医療機関、福祉施設など、さらに幅広い場面での活用を目指すとしています。

細井裕司名誉教授は「聞こえに不安のある方が、社会生活のさまざまな場面で困ることなく、安心してコミュニケーションを取れる環境をつくりたい。その思いから、窓口用軟骨伝導イヤホンを発案し、この度の新製品を共同開発しました」と述べています。
軟骨伝導とは
軟骨伝導は骨伝導の一種であるかのように誤解されがちですが、聞こえのメカニズムや音伝達の性質、特徴は骨伝導とは全く異なるとのことです。2004年に奈良県立医科大学の細井裕司教授(現・名誉教授)が発見した軟骨伝導は、空気を震わせて音を伝える気導と、骨を震わせて音を伝える骨伝導とは別の経路となる第3の聴覚とされています。
イヤホン部(軟骨伝導振動子)が耳の軟骨を振動させると、その振動によって外耳道内に音が作られ、その音が鼓膜、中耳を通り蝸牛に達する仕組みです。音源が外耳道内にできる点で気導と異なり、骨の振動を必要としない点で骨伝導とは異なります。

製品の特長
窓口用軟骨伝導イヤホンは、利用者の聞き取りを支援することで、聞き返しを減らし、会話をスムーズに進めることを目指す窓口ソリューションです。応対者が必要以上に大きな声で話す負担を抑えるとともに、周囲に会話内容が聞こえるリスクの軽減にもつながるとしています。集音器のマイクが応対者の声を拾って増幅し、イヤホンを通じて利用者に届ける仕組みです。

イヤホンは耳の穴に差し込まず、耳のくぼみに軽く当てて装着します。耳の穴をふさがないため、長時間使用しても痛みや蒸れが生じにくい、快適な装着感を目指した設計とのことです。

イヤホン部は穴や凹凸の少ない球体形状のため、除菌シートで簡単に拭き取ることができます。不特定多数の方が利用する窓口においても、清潔な状態を保ちやすく、日常のメンテナンス負担の軽減にもつながるとしています。

大掛かりな設備工事を必要とせず、既存の窓口に設置して使用できます。聞こえにくい方が来訪した際に職員が利用を案内し、その場で使用できるため、自治体・金融機関・病院などの既存環境を大きく変更することなく導入できます。
新型の主な改良点
専用モバイルバッテリーには、ゲル状電解質を採用した準固体リチウムイオン電池を搭載しています。
電池容量は3,200mAhから10,000mAhに拡大されました。
集音器にはバッテリーを内蔵しており、単体で最大10時間使用できます。
専用モバイルバッテリーとの併用では、最大210時間使用できるとのことです。
この使用時間は同社所定の条件で測定した参考値で、音量、使用環境、バッテリーの状態などによって異なるとしています。
専用モバイルバッテリーは、ドリルによる穴あけ試験において発火が見られないことが確認されています。
また、約1,000回の充放電後も、初期容量の約90%を維持することが確認されており、窓口で日常的に使用する機器として、安全性と長期使用に配慮したとのことです。
なお、各試験結果は同社が定める条件に基づくもので、すべての使用状況における安全性や性能を保証するものではなく、充放電回数および容量維持率は使用環境や充電条件によって異なるとしています。
難聴者支援に関する動き
2025年12月17日、参議院において、「難聴者が社会生活で困らない環境の整備を始め全ての難聴者を対象とした支援制度に関する請願」(第219回国会・請願第499号)が採択され、内閣に送付されました。この請願では、軽度から重度まで全ての難聴者を対象とした支援制度の充実、とくに難聴者が社会生活で困らないための環境整備の必要性が示されています。
製品仕様
型番はGYO-02-GR-BA(松葉)とGYO-02-PU-BA(薄藤)の2種類で、カラーは松葉(グリーン)と薄藤(パープル)です。
- 集音器:18×23×70 mm、約18g
- 軟骨伝導イヤホン:180 cm、約15g
- 専用モバイルバッテリー:108×71×17 mm、約185g
- イヤホンスタンド:高さ190mm、幅65mm、約290g
- 集音器スタンド:高さ80mm、幅45mm、約25g
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