日本では5月17日に発売されたPCゲーム『Metro: Last Light』を昨日クリアしました。総プレイ時間は16.7時間。ムービーやNPC同士の会話をすべてスキップすれば12時間くらいでクリアできると思います。
知らない人向けに説明しますと、Metroは数十年前に起きた核戦争により地上が汚染された世界のモスクワを舞台にしたFPSゲームです。人々は汚染から逃れるために地下鉄、つまりメトロで生き延びており、主人公もそんななかで生きている人間のひとりです。原作はロシアのSF小説。
前作の『Metro 2033』は、人類に害なす新種のミュータント『ダークワン』を倒すために旅立ちましたが、今作のLast Lightでは逆にダークワンを助けるために戦いの旅に出ます。
そのあたりのストーリーの繋がりはぜひ前作をプレイして欲しいのですが、前作の世界観が大好きなファンにはもう全力でオススメします。『Steam』のセールを待ってる場合じゃないです。
何がどうオススメって、世界、荒れ果ててるんですよ。物理的にじゃなくて、精神的に。
あんまり過激なものを載せるとGoogle先生に怒られてしまいますが、たとえば下着姿の女性がラインダンスを踊ってくれるシーンが普通にあるわけです。衣装じゃなくて、下着です。
もちろん現実世界と変わりないと言えばそのとおりなんですが、それをゲームのメインストーリー上で再現する“この世界では当たり前”感が素晴らしい。もちろん、個人的にお金(ゲーム内では戦前に製造された軍用弾)を支払えばもっと良いこともしてくれます。
戦闘はステルス性が高まったが、ミュータント戦はいまひとつ
では戦闘はと言えば、こちらはステルス性が高まっています。やろうと思えばほぼすべての敵兵士を相手に気付かれることなく倒せます。そういう配置になってます。
また、前作では4段階あったステルス判定も今作では“見えている”or“見えていない”の極端な2段階になっており、見えていない状態では隣に立っても気付かれません。これが海外大手メディアの言う“バカAI”なのかも。
一方でミュータント戦は相変わらずの数の暴力です。うわっといっぺんにあらわれてグワーッと襲いかかってくるだけなので、射線が限定できる狭い道に逃げ込んでの撃退がメインとなります。
近づかれる前に遠距離から狙撃できれば良いのですが、Last Lightでは地上に出てもあんまり開けた地形がない、もしくは真っ暗で見えないので狙撃に成功できたのは数えるほど。囲まれるとあっという間に死ぬのでドキドキ感はありますが、今振り返るとけっこう作業だったかな、とも。
なお、Last Lightではこれまでのミュータントに加えて水生生物のミュータントも登場します。こいつが硬いわ強いわで弾薬の消費が激しいです。
ただまあ対NPCがナイフでのステルスキルオンリーが可能なので弾薬自体はあまりまくります。ミュータント戦で減った弾薬を対人戦で補給するような感じ。お店でも弾薬は買えますが、まず必要ないですね。
それよりも注目すべきはUIでしょうか。
UIがけっこう変わってまして、武器ごとの装備可能スロットがなくなりました。3つあるスロットにどの武器でも自由に当てはめられます。つまり、ショットガンを3丁持つことも可能、ということ!
また、投げナイフやグレネードはすべてCボタンで発動するようにまとめられていて、あらかじめTabキーを押した画面でどれを投げるか選択しておき、Cボタンでアクションを行います。
ピンチのときは焦ってしまったりして、ちょっと不便になりました。
ほか、大きな変更点はガスマスクです。前作はフィルターが切れるとフィルターを自動で交換してましたが、今回、交換は手動です。
フィルターの使用時間が切れてることに気付かないと呼吸ができずに……。手間と言えばそうかもしれませんが、よりリアリティが増しましたね。このフィルターをつかったちょっとしたイベントもありますし。
エンディングは前作と同じくマルチエンドが採用されており、それまでの行動によってエンディングが変わります。初プレイでしたがおそらくトゥルーエンドの方を引けたと思うので、カルマがあがると思われる行動&探索をしらみつぶしにやれば最初からトゥルーを見ることはできるはずです。
Last Lightでは難易度ハードコアよりさらに難しいレンジャーモードが用意されているので、明日からはこちらで遊ぶことにします。なお、日本語版はスパイク・チュンソフトよりPS3、Xbox 360にて2013年夏発売予定です。PCでの日本語版は今のところ情報がありませんが、たぶんズーが出すと思います。