NEWGREENの『アイガモロボ』、CBD-COP17でメタン排出低減と生物多様性保全の効果を報告

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CBD-COP17会場で登壇者がスライドを示し、聴衆が着席するサイドイベントの様子

株式会社NEWGREENは11月2日、アルメニア・エレバンで開催された国連生物多様性条約第17回締約国会議(CBD-COP17)のサイドイベントで、水田抑草ロボット『アイガモロボ』による水田からのメタン排出の削減効果と生物多様性の保全効果を報告したと発表しました。

『アイガモロボ』は、水田に投入するだけで太陽光発電により自動走行し、水を濁らせて雑草の生育を抑制する水田抑草ロボットです。販売は井関農機株式会社の販売店が行っています。

同社は10月21日、農林水産省が主催したサイドイベント「Accelerating Nature-Positive Food Systems through Innovation」(イノベーションによるネイチャーポジティブな食料システムの加速)に登壇しました。時間は現地時間13:15から14:35、会場はCBD-COP17会場のブルーゾーン Sisian Room(アルメニア・エレバン)です。

続くパネルディスカッションのテーマは「イノベーションによる食料システムの変革を通じたネイチャーポジティブ社会への移行」です。同社はタイ・インドネシアの政府関係者らとともに、アジアにおける稲作の環境負荷低減について議論しました。

サイドイベント会場でパネル資料の前に並ぶ登壇者ら4名の記念写真

このサイドイベントは、2027年に横浜で開催される国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」に向けて、アジア発の解決策を世界の行動へとつなげることを掲げて開催されました。COP17全体の結果概要は、環境省が資料として公開しています。

目次

日本とベトナムの実証で示されたメタン排出の低減

農林水産省の資料によると、2024年度の国内メタン排出量のうち稲作は約42%を占め、家畜の消化管内発酵(約30%)を上回る最大の排出源です。湛水した水田の土壌中では、酸素の少ない環境で微生物がメタンを生成します。

メタンはCO2の約28倍の温室効果を持つガスです。稲作に由来するメタンの削減は、米を主食とするアジア諸国に共通する課題とのことです。

同社は農研機構西日本農業研究センターとの共同研究で、国内53圃場のメタン排出量を測定し、『アイガモロボ』を導入した水田で排出量が大幅に少ない傾向を確認しました。

節水かんがい(AWD)は、ベトナム・メコンデルタで普及が進んでいる方法です。同社は東京農工大学を含む共同研究として2025年12月から2026年2月にメコンデルタで測定し、AWDに『アイガモロボ』を併用した水田でメタン排出量がさらに低減し、その差が統計的に有意であることを確認しました。

『アイガモロボ』が土壌を攪拌して酸素を供給することで、メタンを生成する微生物が減少するメカニズムも、解明されつつあるとのことです。

西表島の水田で生物の種数・個体数が増加

山形大学農学部の佐藤智准教授の調査では、世界自然遺産の西表島で『アイガモロボ』を導入した水田で、生物の種数・個体数が約4割増加しました。稲に食害をもたらす外来種スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)による食害も、約4割減少しています。

農研機構の成果報告では、『アイガモロボ』の稼働で生じる水中の波が、食害を抑制する要因であることが特定されています。魚類への毒性が強い薬剤に依存しない対策としても期待されているとのことです。

アジア各国での展開

農林水産省の「MIDORI∞INFINITY」では、『アイガモロボ』はタイ・ベトナムなどに展開可能な温室効果ガス排出削減技術に位置づけられています。

COP17での発表に続き、同社は「MIDORI∞INFINITY」の取り組みの一環として、10月23日にインドネシア国家研究イノベーション庁 農業・食料研究機構(ROAF-BRIN)と、10月26日にマレーシアの農業関連企業Agricultural Chemicals (M) Sdn. Bhd.(ACM)と、『アイガモロボ』の現地実証に関する覚書をそれぞれ締結しました。

両国の試験圃場では試験も開始しています。

詳細は別途発表する予定です。

ベトナムでは2026年3月に、国家農業普及センターを含む組織と覚書を締結しました。2028年までにメコンデルタでの商業化を目指しています。今後はアジアの稲作国への導入拡大と、カーボンクレジットの創出に向けた検証を進める方針です。

取締役副社長で『アイガモロボ』開発者の中村哲也さんは、イベントの反響を「今回のCBD-COP17の本イベントでは、会場がほぼ満員になるほどの注目を集め、多くの方々に知って頂くことができました。」と述べています。

NEWGREEN取締役副社長・中村哲也氏。緑のポロシャツを着た男性

海外での販売には、「これからはアイガモロボの海外での販売も増やして行き、原材料費高騰の中でもできるだけ価格を抑えられる体制作りをして行きたいと思います。」とコメントしています。

CBD-COP17会場で登壇者がスライドを示し、聴衆が着席するサイドイベントの様子

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