ゴールデンウィーク中はあれやこれやしようと思っていたのですが、家族サービスとこの『WORLD WAR Z』の読書でおわってしまいました。この本、ゾンビ好きに超オススメですよ!
WORLD WAR Zは、人類がゾンビとの終末戦争に勝利した物語を描いたゾンビホラーフィクションです。
ただし、ストーリーはありません。主人公もいません。この本に書かれているのは、とある戦後調査官がゾンビ戦争を生き残った人々に「あの戦争をどのようにして生き延びたか?」を聞いてまわり、その証言をまとめた報告レポートだけです。
ようするに、細切れの物語が掲載されているのです。一応かたちとしてゾンビ発生から“大いなるパニック”の日までの道のり、その後の人類の撤退、全面戦争、そしてゾンビに勝利するまでの流れが描かれてはいますが、それぞれのレポートにはオチが書かれていません。
「もっと続きを読ませて欲しい」。そう思わせてくれるエピソードばかりですが、この本はこれで良いんです。なぜなら、ボクのようなゾンビ好きはこれまでもゾンビ物語の続きを妄想してきたからです。ゾンビが発生した終末の世界を。
もしも明日、朝起きてゾンビが大発生していたらどうするか? 映画のようにホームセンターに立てこもる? それとも部屋にひきこもる? 人(ゾンビ)が少ない田舎に逃げる? 海外へ脱出? それとも主人公にはなれずに食われるだけ?
WORLD WAR Zには、その全ての行動の結末が描かれています。それも納得できるかたちで。もう、それだけで満足です。
そしてもうひとつ、WORLD WAR Zはボクにゾンビ世界の魅力を教えてくれました。それが、“終末戦争に勝利する”ことです。
ゾンビとの戦争に勝利するなんて、考えられない話ですよ。もちろん個別に勝利する話(妄想)はありますよ。世界はゾンビに支配されてるけど、そこだけは安全地帯になったとか。そういう話ならいっぱいあります。
でも、そこからゾンビを殲滅するなんて考えてもみなかったし、その後の世界のことなんてこれっぽっちも頭になかった。ゾンビ=終末でおわらせていた。いやあ、これはもったいないことをしてました。
世界を終わらせなければまたゾンビを発生させることもできるわけですし、この本が世界のゾンビファンに広まればもっと面白いゾンビコンテンツが世に産み出されそうです。
見ての通りけっこう分厚い本ですが、1週間もあればちょこちょこ読んで読破できます。
寝る前に読むことにしていましたが、バラバラのエピソードで世界がどう繋がるかが気になってついつい夜更かししてしまうことがよくありました(もちろんその細かい部分は妄想で)。
ゾンビ好きなら今すぐ読みましょう!