
エレクトロニクス商社の丸文株式会社は2026年9月9日、台湾NUWA Robotics社製のAIコミュニケーションロボット『Kebbi』シリーズの最新モデル『Kebbi3』の取り扱いを開始したと発表しました。観光・行政・商業・教育・介護など多様な現場でのDX支援を掲げています。
『Kebbi3』は、国内外の現場で導入されてきた『Kebbi』シリーズの実用性やデザインを引き継ぎながら、新たに専用AIチップ(NPU)とGPUを搭載し、処理能力・聴覚・視覚を刷新したモデルです。
丸文は、生成AI技術の進化に伴ってロボットを活用したコミュニケーション領域が介護施設や病院、商業施設、観光案内、行政窓口、教育・発達支援など多様なシーンへ広がっていることを踏まえ、『Kebbi3』の取り扱いを開始したとしています。
『Kebbi3』の主な特長
専用AIチップによる高速レスポンス
『Kebbi3』は、10 TOPSの演算性能を持つAI専用プロセッサであるNPU(AI処理に特化した専用プロセッサ)とGPUを搭載しています。クラウド通信だけに頼らず本体側でAI処理を行うエッジAI処理により、通信環境に左右されずに応答速度が向上しています。
騒音や暗所に強い環境認識力
新開発の音声前処理エンジン(AIVCノイズキャンセリング・ビームフォーミング)を採用し、混雑する店舗やイベント会場など雑音のある環境でも話者の声を正確に識別できます。また、暗所に対応した1,300万画素カメラを搭載しており、視覚データを活用した機能拡張やセンシングにも対応する構造です。
生成AIとRAGによる自律的な対応
生成AIとRAG(Retrieval-Augmented Generation、検索拡張生成。生成AIが回答を作成する際に社内マニュアルやデータベースなどの情報を参照・検索して回答を生成する技術)の連携により、社内マニュアルや施設情報に基づいた質疑応答を実現します。
Kebbi向けのノーコード開発ツールと組み合わせることで、会話の内容や状況に応じてAIが自律的に判断し、アプリの起動や外部データ連携を行うエージェンティックAI(状況や目的に応じてAIが自律的に判断し実行する概念)としての活用も想定されています。
主な活用シーン
丸文は『Kebbi3』の活用シーンとして、以下の例を挙げています。
| 期待される役割・効果 | 対象となる場所 | 具体的な活用イメージ |
|---|---|---|
| 頼れる案内役、多言語対応 | 商業、観光、ミュージアム、病院 | 騒音下の施設でもノイズを抑えて正確に声を認識し、途切れのない多言語対話でインバウンド対応や複雑な施設案内を提供します。 |
| 受付の自動化・業務削減 | 企業オフィス、行政、病院、クリニック | 生成AIとマニュアルデータ等のRAG連携による正確な質疑応答を実現し、従来の定型応答を超えた複雑な問い合わせや案内にも対応します。 |
| 主体性を引き出す学習パートナー | 幼稚園、学校、塾、研究機関 | 1,300万画素カメラによる表情認識と自律対話により、児童の反応に応じた英会話指導や、大学・研究機関における先端AIロボティクス研究に活用します。 |
| 心に寄り添うやさしい対話 | 発達支援、福祉、介護 | 通信遅延の少ないエッジAIを搭載し、会話の間(ま)を逃さず自然に応答することで、高齢者や利用者にストレスを感じさせないコミュニケーションを実現します。 |
今後の展開
丸文は今後、グループ会社および全国の販売パートナーとのネットワークを通じて『Kebbi3』の全国的な普及と導入体制の強化を進めるとしています。
専用環境構築から導入・運用サポートまでを専門のエンジニアやスタッフが対応し、現場で定着する運用まで一貫して支援する方針としています。
あわせて、開発パートナーとの連携を強化し、観光・行政・店舗・教育・発達支援などユースケースに応じた専用アプリケーションの開発も進めるとしています。
『Kebbi』シリーズの取り扱い経緯
丸文は2024年3月に台湾のNUWA Robotics Corp.と資本提携を行い、NUWAロボティクスJAPAN株式会社と販売代理店契約を締結しました。以来、同社のAIコミュニケーションロボット『Kebbi』シリーズと関連ツールの取り扱いを開始し、介護・医療市場向けに独占的に販売しています(一部例外もあります)。
- Kebbiの詳細はこちら:https://www.marubun.co.jp/products/42715/
