電話回線を使うからIP電話のように相手の声が聞こえづらくなったりしない楽天の電話アプリ『楽天でんわ』が、「3分までの通話料が0円」という嘘みたいな新プランを発表しました。これは業界への殴り込みですよ。
今回発表された『3分0円プラン』は、その名の通り3分までの通話なら何度話しても0円、無料で話せるという挑戦的なプランです。何が挑戦的なのかというと、これ、普通に考えると赤字なんですよ。楽天でんわが。
84%の通話が3分以内
なぜなら日本国内の携帯電話による通話のうち、じつに84%の通話が3分以内におわっているからです(TCAテレコムデータブック2013より)。
つまり、通話のほとんどがタダ。無料になります。
これはもう申し込むしかない。
基本料0円
「そんなこと言って、基本料がバカ高いんじゃないの?」とお疑いのそこのあなた。楽天でんわは基本料0円です。もちろんこの3分0円プランも基本料はかかりません。
先着5万名なのでとりあえず申し込みだけしておいて、あとから使うか使わないか検討する、という方法も可能です。というかそれをオススメします。
ちょっとでも気になるなら、申し込みだけでもササッとすませておきましょう。
3分後は30秒20円の通話料
じゃあこの3分0円プランで、楽天でんわはどうやって儲けるのか? その答えは3分後の通話にあります。3分後からは、30秒20円(税別)の通話料がかかってくるのです。
3分以内に通話が終わればタダだけど、終わらなかったら“キャリアと同じ通話料”がかかります。と言っても、“キャリアと同じ通話料”なのがポイント。
じつはこの30秒20円の通話料。docomoの『タイプXi(新規申込み終了)』、auの『
LTEプラン』、ソフトバンクモバイルの『ホワイトプラン(i含む)』と同じ料金設定なんですね。
30秒20円というかかってくる通話料は変わらないので、いわゆる“旧プラン”を利用しているユーザーなら同じ通話料です。
ライバルは通話し放題&同キャリア間の国内無料通話
とは言え、楽天でんわにも弱点はあります。それは、今年から始まった通話し放題サービスです。docomoの『カケホーダイ&パケあえる』、auの『カケホとデジラ』、ソフトバンクモバイルの『スマ放題』を契約している人には一切メリットがありません。
上記の新プランでスマートフォンを使っている人は、楽天でんわを使う必要一切なし! 右を向いてお帰りください。
また、旧プランでも“同キャリア間の国内無料通話”のプランの場合も、同キャリアの人にかけるのであれば“3分0円”よりも“同キャリア間無料”の方がずっと話せてオトクです。
楽天でんわは基本的に旧プランの人が利用するサービスですが、違うキャリアの人や固定電話にかけるときに使うようにしましょう。
今回は実験的なサービス。継続するかは今後の成り行き次第
さて、楽天でんわ側が損するだけのように思える今回の3分0円プランですが、やはり挑戦してきたことには理由があります。
このままだと、通話し放題サービスに追いやられてしまうからです。キャリアの新プランはまだまだユーザーに浸透していませんが、ここで挑戦しなければジリ貧です。だからこそ、赤字になるかもしれないこの3分0円プランを出したのでしょう。
その代わり、申し込みは新規かつ先着5万名限定です。
やっぱり楽天でんわ側もこれが儲かるかどうか分かってないので、とりあえず5万件契約してみて実験しよう、というわけです。
利益率がそんなに悪くならないのであれば追加募集、さらには既存顧客の切り替えにも対応していくと聞きました。当たり前の話ですが、全ての通話が3分以内に終えられたら赤字で続けられないですからね。
楽天でんわとしては、旧プランだけではなく音声通話に対応したMVNOとも連携してやっていくようです。まだ旧プランを使っている、もしくは音声通話対応の格安SIMユーザーはこの機会に利用してみましょう。
ボクは先日申し込んでもう使ってますが、いいですよ! 使い心地についてはまた別の記事で説明します。
あ、最後に言い忘れてましたが、通話料100円につき楽天スーパーポイントが1ポイントたまります。楽天ユーザーはぜひ。